この時計の最大のポイントはオメガのスピードマスターよりも先に宇宙遊泳に成功した時計の復刻版ということです。時は1965年3月、ソ連が人類初の宇宙遊泳に成功。この時、アレクセイ・レオーノフが着用した時計がSTRELA（ストレラ）でした。2000年代に入りオリジナルサイズ（文字盤違いで数タイプ同時発売）で各500本が復刻されました。 出品モデルは、その中でも直ぐに完売になった1978年のミッションでアレクセイ・グバレフが使用したタイプの復刻版。特徴的な時・分針などデザイン的にも見どころの多い時計です。限定番号も良い番号です。 ムーブメントはPOLJOT（パリョート） Cal.3133。名機Valjoux7734のノックダウン生産品ですが、いわゆる海賊版的ないかがわしいものではなくて、「モスクワ第1時計公社」が正式なライセンスを取得し、スイスから工作機械を丸ごと買い取り製造されたものです。 現在も類似のモデルが生産されていますが、サイズは42mmに拡大されている上に、ムーブメントも中国製が増えてきましたので、初期の38ｍｍモデル（Cal.3133入り）は益々希少価値が高まっています。 コレクション品でしたのでほぼ新品といえるコンディションです。側面の写真にはプッシュボタンの表面が青くなっているのが見えますが、これは当時の保護シールが残っているものです。革ベルトは長期保管により巻き癖が付いてしまっていますが、痛みなどはございません。 操作方法は、一般的な手巻きのクロノグラフと同様、龍頭でゼンマイを巻いて時計を作動させます。2時位置のプッシュを一度押すと、クロノグラフ針が作動。もう一度押すと止まります。クロノグラフ針が停止状態の時に4時位置のプッシュを推すと帰零します。竜頭を1段引くと時刻合わせができます。尚、日付早送り機能はありませんので、ひたすら針を回して変更する必要があります。 本体、化粧箱、外箱、取説兼保証書（販売店・日付未記入）×2部（英語＆ロシア語）全て完備。 日差は24時間の実測で40秒弱の進みでした。実装時は多少の差異が出るかと思いますが、このクラスの時計としては十分に実用的な精度に収まるものと思います。クロノグラフの作動も確認済みです。 サイズ（約）幅38（リューズ含まず）×縦46×厚さ12ｍｍ、重さ：71ｇ、ラグ幅：20mm